最近、

こどものために書かれた曲集の”シンプルが故の素晴らしさ”、

そしてそこに、常に表裏一体となって存在する 

おとなの子供への憧れに気付いてしまった。

あ、私も大人になったのかな。と初めて意識した瞬間だった。 

成人式、卒業式、免許を取って運転した日、お酒を飲んだその日より、何よりも。

そのシンプルな曲をこどもは素直に無邪気に…良い意味でまっしろな演奏をする。

大人はついその新鮮な、まっしろのキャンバスに色を付け加えたくなる。もちろん私も。

でも良いんだ、まっしろのままで。急がなくていい。痛いほど分かる日が、そのうち…それも本当にすぐに、来てしまうから。

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最近、三善晃さんの海の日記帳や、マ・メール・ロワを聴いたり弾いたりしている内に…いわゆる「子供のための音楽」の切なさに気付き、夢中になっている中で そんなことを思いました。

「子供のための曲集」で皆様が連想される曲集と言ったら、

何と言ってもシューマン作曲「子供の情景」じゃないでしょうか?

しかし実はあの曲集は、子供が主人公でも、シューマン自身が自分を子供に見立てて構想したのでもなく、

あくまで大人の目線で、子供時代を追懐している”大人が想い描いている子供への憧憬”です。

それに気付いたとき私はこの曲集のすべてに納得し、腑に落ちました。

まぁ…ですのでこの曲集については、「大人のための曲集」である、と私は思うのです。大人への、なぐさめです。

そんな「子供の情景」を、現役最後(84歳)の公演で演奏したピアニストが居ます。

ホロヴィッツです

70年におよぶ現役生活最後の公演に、ホロヴィッツはシューマンの子供の情景を選びました。😢✨

84歳のホロヴィッツには、どんな”子供の情景”が見えていたんだろう。

技巧バリバリの頃のホロヴィッツが弾くラフマニノフ等も大好きですが、

この映像が一番好きかもしれない

傷(ミスタッチ)なんて全く気にならない、音色がコントロールされ尽くされた魅力的な演奏ってこういう演奏のことなんだなと思う。

最後、カメラに挑戦的に微笑むホロヴィッツ♥

でも最後、涙目にも見えるのは私だけかな。

子供に戻って、もっともっとピアノ弾いてたいのかな。

何度聴いても泣いてしまう演奏を、今日は皆様にご紹介でした。

(1994年11月23日…3歳の私と母です。😉)

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